dandyのコラム(第2回)


第2回  毒入り餃子テロ事件と食糧&医療政策の過ち

 アメリカでは1990年以降、国民のガン罹患率、死亡率ともに減少しています。この事実は過去我が国NHK総合の番組
「ためしてガッテン」でのガン予防特集でも取り上げられました。

 しかし、これとは逆行するように日本は年々ガン・心臓病・糖尿病などに罹患する人が増え続けています。これについて
「なぜアメリカは
ガンが減ったの!?日本人よりたくさん脂肪分や動物性たんぱく質が多い肉やハンバーガーとか食べて
いる人が多いのに・・・」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

1998年に米国ガン協会(ACS)や疾病抑制予防センター(CDC)などの合同チームが、「アメリカのガン罹患率と死亡率が
低下している」と発表し、研究チームは人口統計調査や死亡確認書などをもとに、73年から95年までの
ガン罹患・死亡率の推移を測定して報告書を作成しました。

それらの調査結果によると、アメリカ国民のガン罹患率は73〜89年は毎年平均1.2%ずつ増加していたものが、90年を境に減りはじめ、90年〜95年は毎年平均0.7ずつ減少していることが分かり、死亡率も5年間で2.6%(年平均0.5%)低下しました。

そしてここで近年日本のガン患者数とその死亡率の推移を見てみましょう。

戦後1947年あたりの日本は『結核』約185万人、『肺炎』約175万人、『脳血管疾患』約125万人が死亡率トップ3でした。

参考資料:昭和22年から平成16年までの死亡率の推移(厚生労働省より)

そのころの『悪性新生物』、いわゆる『ガン』などは5万人にとどまっていました。そしてそのころを境にガンや、心臓病など
よる死亡数が右肩上がりに増えていくことになります。

戦後の日本に比べて現在の日本には世界のあらゆる食材などが簡単にスーパーで購入することが出来るようになり、
ビタミンやミネラルなどの摂取が容易に可能となりました。

そのため、戦前に不足していた栄養素が補給できるようになりましたし、衛生面の向上もあり、ウィルス伝染的病である
『肺炎』や、『結核』などの死亡率が非常に少なくなりましたが、その一方で『
ガン』は1990年代での死亡数は20万人を
超え、平成17年には約32万人以上にも達しています。

そして現在は1980年代や90年代などと比べて、医療政策に対する国家予算内の割り当てからもわかるように、莫大な
我々の税金が投入されています。

日本の医療費国家予算は平成18年度にはおよそ『30兆円』にも達し、その内の8兆円が一般予算内から捻出されています。 足りない費用には『赤字国債』を刷り続け、我々日本国民に圧し掛かるいわゆる『借金』は2005年度時点でなんと『約538兆円』にも上っています。

しかも、その『借金』の利子は『約18兆円』にも膨れ上がっています。当然その利子は国民の税金で支払われる事になります。その赤字国債発行による『借金』は、最悪のシミュレーションで2015年度には『約894兆円』にも達し、毎年の利子は『約53兆円』にまで膨れ上がり、我が日本は世界でも例を見ない『医療破産国』に刻一刻と近づいているわけです。

参考資料:平成18年度国予算のあり方(要旨)

   〜医療費抑制と消費税引き上げが財政再建に及ぼす影響〜

しかし、医療機器や手技による技術、救急などの分野においては世界でも最先端であるにも関わらず、一方ではなぜ右肩
上がりに
ガンや心臓病に罹患し、死亡する国民が増えているのでしょうか?この結果は何を物語っているのでしょうか?
現代医療に従事する方々は誰ものこの矛盾に気付いていないのでしょうか。

いや、気付いている人は多数居られるはずです。しかし、皆この日本の医療制度の中で疑問に思った事が権威や利益、
毎日の生活を維持する為に有耶無耶にされているのが率直なところなのでしょう。一部の製薬メーカーの利益追求、
厚生官僚たちの保身のための結果が最近では
C型肝炎やエイズ、タミフルなどの薬害問題に顕著に表れています。

医療に関してはお金をかけたり、医師を増やしたり、技術を進歩させるだけの対応ではダメだと言う事の証左なのです。

つまり、

食の安全・品質よりも価格優先・利益優先

病気の原因を突き止める研究より症状に対応する研究優先

国民の健康を維持するという目的よりも、薬を年間どれだけ売るかという薬事行政優先

このような国家政策・企業体質がこのような問題をさらに隠蔽体質へと導く事になってしまった。そして今はその利益を
享受出来なくなった者、もしくは貶めたい者からの内部告発によって社会へ明るみに出ているという訳です。

 1975年、アメリカのフォード大統領(当時)は上院議会に、直轄の諮問機関として栄養問題特別委員会を設置しました。
当時のアメリカはガンや心臓病、糖尿病、肥満などの成人病(現在の生活習慣病)を患う人が急増し、国民医療費も急速に
膨れ上がった為、「
アメリカは戦争なら何処にも負けないが、自国民の病気で滅んでしまうだろう」とまで言われていました。

そこでフォード大統領は疑問に思ったのです。

「アメリカは医学が進歩している国だ。これほど医学の発展にお金をかけているのだから、病気の人が減っても良さそうなものだ。ところが患者は増え続け、医療費もどんどんかさんでいる。なにかが間違っているのではないか?」

大統領の疑問は、もっともだと思います。そして、現在の日本の状況とピタリと一致するのではないでしょうか。

そこで大統領は疑問の究明をすべく上院議会に栄養問題特別委員会という機関を設置し、関連のあらゆる分野の専門家を集結させ、国家的な大調査を指令しました。その委員長に任命されたのが当時、民主党の副大統領候補でもあったジョージ・マクガバン上院議員でした。

マクガバン率いる委員会はまず、19世紀以降のアメリカの病気の変化と、それに対応する食生活の変化を歴史的に追跡し始めました。

 すると150年前には腸チフス菌や結核など、細菌による伝染病で病死する人が多く、ガン・心臓病・脳卒中などの病気が
皆無に近いことが分かりました。

 さらにそれをヨーロッパやアフリカ、アジア、中近東など様々な国を調査したところによると、ある傾向が分かったと言います。欧米や日本などの先進国に比べ、後進国(低開発国)では過去だけでなく現在も生活習慣病などに見られるような病気が少ないという事実が分かったのです。

その違いは「医療進歩の違い」ではなく、やはり「食生活の違い」にほかならないという結論が出ました。

 様々な国の人々の食生活と病気や健康状態との相関関係を分析し、あらゆる学者、専門家、各国の医師、実に3000人を
超える人物が関わり、大掛かりな調査をおよそ2年の歳月を費やして
1977年に完成したのが『マクガバン・リポート
だったのです。
 (正式には『アメリカ合衆国上院栄養問題特別委員会報告書』といいます。)

そのマクガバン・リポートで報告書のまとめとしてどのような事が書かれていたのかと言えば、「ガンや心臓病はなどの
増加は食生活の誤りである、健康を維持する為には肉・卵・乳製品・砂糖などをできる限り食べてはならない」というような
事柄が書かれていました。しかし、その報告書に対してアメリカの食肉産業はやはり猛反発して、その圧力の結果報告書の
内容は「食べない方が良い」というニュアンスに無理やり変更させられた経緯がありました。

その後、アメリカは国家の大政策としてそのマクガバン・リポートの結果を重視し、独自の食育や食事療法の研究を推し進め、ハーバード大学やオックスフォード大学、スタンフォード大学の医学部でも研究が進み、動物性蛋白質をなるべく摂取せず、穀物中心の「食事療法」が生活習慣病を予防・改善するためにも効果的であることが証明されたのです。

このマクガバン・リポートの提案に当たっては、日本食が高く評価されており、その陰にはアメリカで食養生(マクロビオティック)を広めた日本人、久司道夫氏の意見が色濃く反映されています。最近特に日本食が欧米でブームとなっていますが、単にヘルシーというだけの理由ではなかったのです。

戦後、日本はGHQの占領政策の影響を受けてか、牛乳などの乳製品、肉などの動物性蛋白質が家庭の食卓や給食の
中にも普通に登場するようになりました。しかし、この時まではアメリカ自身もこうした食生活が自国民の首をも絞める事に
なっているとは分かっていなかったようです。

そして、戦後の日本はこうした食生活に基づいた栄養学に支配され続けていたのですが、先の小泉内閣の時に初めて
「食育」が重要であると公的機関で見直され、認識されました。この事については高く評価するべき事だと思います。

ところが、近年アメリカで食生活の改善が生活習慣病に対して有効である事が判明しているにも関わらず、我が国の先端
医療では「ガンと食生活には何の関係もない」として、食生活の見直しは糖尿病患者だけに止まってしまったのです。

こうなってしまってはせっかくの「食育」も重要視されずに、国民に広く知られる事も無くなってしまったわけです。

今でも世界中のどこかで争いは絶え間なく行われており、悲しむべき事であります。しかしながら、現在のわが国の
食糧政策・現代医学・医療政策の在り方は戦わずして自らの命を自らで葬っている
と言っても過言ではないのです。
なんと馬鹿げたことではないでしょうか。

その危機感の全くない、あいまいな国家の食糧政策方針の綻びが今回の殺人未遂事件にまで発展している殺人餃子事件(あえて私は、化学兵器・餃子テロ事件と呼んでいる)となって表れているのではないでしょうか。

  • 「食」に対する日本と中国の国家間での意識レベル差

  • 品質よりも安ければ良いという利益優先の企業体質

  • 国民の安全を守るという意識・危機管理の出来ない行政

  • 「食品」に対して過剰な信頼性を求めすぎている消費者

 自分達の国は自分達で守る事と同様、自分達の安全な食べ物は自分たちの手で作るという基本的な概念を、
この餃子テロ事件を通じて我々は振り返って考えなおしてみる必要が早急にあるのではないでしょうか。


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